ドコモとトヨタ、5Gを活用したヒューマノイドロボット「T-HR3」の遠隔制御に成功
株式会社NTTドコモ
トヨタ自動車株式会社

株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)と、トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)は、第5世代移動通信方式※1(以下、5G)を用いたロボット制御のトライアルを開始し、遠隔地間(約10キロメートル)を想定した実験環境において、その一部区間に5Gを活用し、トヨタが開発したヒューマノイドロボット「T-HR3」を制御することに成功しました。

T-HR3は、家庭や医療機関など様々な場面で、人々の生活を安全にサポートするパートナーロボットをめざして開発されました。トルク(力)を制御するトルクサーボモジュールと、全身を自在に操るマスター操縦システムなどにより、操縦者はT-HR3にかかる外からの力を感じながら、T-HR3に操縦者と同じ動きをさせることができます※2

T-HR3のやさしく、しなやかな動きを実現するためには、T-HR3とマスター操縦システム間で制御信号をやり取りする際に発生する通信遅延をなるべく少なくすることが求められます。そのため、これまでは比較的通信遅延の少ない有線接続での実験を進めてきました。より実用性の高い環境での使用に向け、ドコモがこれまでに培ってきた5Gの知見を活かしながら、5Gの特徴の1つである低遅延性を活用し、5Gを用いた無線接続を一部含む遠隔地間を模擬した環境において、T-HR3の制御に成功しました。

なお今回の取り組みは、2018年12月6日(木)から2日間、東京ビッグサイトで開催予定の「DOCOMO Open House 2018※3」にて会場(東京ビッグサイト)と東京スカイツリー間でのデモンストレーションを行う予定です。

今後もドコモとトヨタは、ロボットの多様な利用シーンを想定した実証実験を実施し、2020年の5Gサービスの実現と、その先の豊かなモビリティ社会の実現をめざして技術とサービスの研究開発を推進してまいります。

※1 ドコモは、2019年9月にプレサービス、2020年春に本格商用サービスとして提供開始をめざしております。
※2 トヨタ自動車の「T-HR3」に関する詳細はニュースリリース参照(2017年11月21日)https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/19841520.html
※3 詳細はWebサイト参照http://docomo-rd-openhouse.jp/

以上

参考

5Gを活用したT-HR3遠隔制御実証の概要

  1. 概要
今回の取り組みは、神奈川県横須賀市のドコモR&Dセンター内で実施し、5Gの周波数帯として28GHz帯を用いました。実証にあたり、遠隔地間(直線約10キロメートル)の5G区間以外で発生する通信遅延をセンター内で模擬するため、事前にお台場エリアと東京スカイツリー(押上)間の有線接続の遅延時間を計測し(下図①参照)、そこで実測した遅延時間を遅延付加装置に加えました(下図②参照)。そこに5G基地局と5G端末を介し、無線でT-HR3を制御できることを実証しました。具体的には、「ボールを両手で挟んで持つ」、「ブロックをつまむ、積み上げる」、「人と握手をする」などの力の伝達が必要となる動作を、有線接続時と遜色ないレベルで行えることを確認しました。
  1. 実証イメージ
実証イメージ

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  • トヨタ「T-HR3」
    トヨタ「T-HR3」
  • 実証システム
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