トヨタ・モーター・アジア・パシフィックとGrab Holding Inc.による共同記者説明会の模様を動画でご覧いただけます(英語のみ)。
以上
TMAP 松田社長スピーチ
皆さま、こんにちは。
今年6月にトヨタとGrabの協業深化を公表してから、スピード感を持って両社で議論を進めてきました。公表から約6ヶ月、着実な進捗を今日この場で皆さまにお知らせできることをうれしく思います。
トヨタは自動車会社からモビリティカンパニーへの変革を目指し、モビリティサービス領域における取り組みを強化しています。Grabと同様、全ての人に移動の自由を提供することが、トヨタの究極の使命だと考えるからです。
協業において、トヨタとGrabは目的を共有しています。
1つ目は、東南アジアのGrabドライバー、利用者の皆さまに、いっそう安心・安全で魅力的なモビリティサービスを提供すること、そして交通事故の低減を図ることです。
2つ目は、オペレーションの高効率化、高品質化、低コスト化を通じ、Grabビジネスの持続的な成長に貢献することです。
そのために、トヨタ生産方式やコネクティッド技術など、トヨタの強みや技術を駆使して、Grabとの協業を進めています。
取り組みに当たっては、日本の本社から、トヨタ生産方式を実行するための専門家チームを通じて強力な支援を受けました。実際の現場でのサポートとともに、ムダを取り除くための突っ込んだ議論が行われました。
そして、成果の一つが、Grabへの「トータルケアサービス」の提供開始です。
これは、トヨタの販売店と配車サービス事業者が、共通のプラットフォーム上で車両データを共有し、配車サービスにおける車両管理、自動車保険、メンテナンス等を一貫して行うものです。
このトータルケアサービスを世界に先駆けて、ここシンガポールで、Grabが保有するトヨタ車両1,500台に提供していきます。
トータルケアサービスの具体的な内容をご説明します。
核となるのは、トヨタがコネクティッドカーの情報インフラとして構築した、モビリティサービスプラットフォーム、MSPFです。
車載通信型ドライブレコーダーであるTransLogから送られてくる走行データを、MSPFを介してGrabと共有し、Grabからドライバーに対して安全に関わるアドバイスや各種サポートを行うために活用します。
Grabでのオペレーションの具体的なイメージとしては、まず、トヨタのTransLogが車両の走行データを基に、異常値を検知します。その上で、異常値を検知した車両をリスト化します。また、リスト上の車両を1つ選択すると、詳細を見ることができます。
万一、ドライバーが交通事故に巻き込まれた場合では、TransLogを通じてGrabセンターで映像を確認することができ、ドライバーがどういう状況だったのかを把握することができます。
また、TransLogのセンサーからの車両情報と映像を合わせることで、状況をより正確に把握することができ、Grab側でドライバーへの必要なサポートや安全確保のための事故後のアクションにつなげることができます。
もう一つの側面としては、TransLogからは車両情報を取得できるため、運転挙動に関するドライバーへの各種アドバイスに活用することが可能なことです。
トヨタの技術をGrabドライバー、利用者にとってのいっそうの安全・安心の実現に、役立てていただきたいと考えています。
自動車保険に関しては、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社が、既にシンガポールで、走行データ連動型自動車保険を提供しています。
TransLogが収集した走行データに基づき、運転挙動を保険料に反映させるものです。
これにより、Grabにとってさらなる安全運転の促進と、それを通じた保険料低減が可能となります。
メンテナンスにおける取り組みも極めて重要です。配車サービス車両は一般的に、個人使用に比べて同じ期間に5倍程度の距離を走るといわれています。よって、大変高頻度でのメンテナンスが発生します。
そのため、高負荷の車両を高品質なメンテナンスで常に安全な状態に保つこと、メンテナンス作業を高効率化し車両の非稼働時間を極力短くすることが重要です。
このような課題に対応するため、トヨタは走行データを活用し、走行パターンや車両状態の把握、メンテナンス頻度の最適化や車両の非稼働時間を短縮するために取り組みを進めているのです。
詳細は、ビデオをご覧ください。
まとめますと、車両状態とメンテナンス履歴の両方を把握することで、メンテナンスの最適化とドライバーへのアドバイスが可能となり、結果、車両や部品の寿命を延ばすことにつながっているのです。
このトータルケアサービスによって、トヨタはGrab車両にベストなメンテナンスを提供できると確信しています。
また、現在、Grabと協議していますが、トヨタはこのサービスを段階的に東南アジア全域のGrab車両に適用していきたいと考えています。
冒頭でも申し上げた通り、トヨタはこうした取り組みを通じ、Grabビジネスの持続的な成長に貢献させていただきたいと思っています。
また、この協業を通じて、東南アジアのGrabのドライバーや利用者の皆さまに、いっそう安心・安全で魅力的なモビリティサービスを提供していきたいと考えています。
ありがとうございました。
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