国立研究開発法人 産業技術総合研究所
トヨタ自動車株式会社
株式会社豊田中央研究所

エネルギー・環境領域における先端技術の共同研究について

  • 「作る、運ぶ、使う。そしてリサイクルする。」という循環型社会における製品のライフサイクルにおいて、カーボンニュートラル実現の鍵を握るのはエネルギーの選択と活用方法。
  • 「どのようなエネルギーを、誰が、どこで、どのくらい、どのように使うか。」について、生活者や企業の視点から幅広く検証して選択肢を提供するとともに、将来の社会実装を目指す。

国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下、産総研)、トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)、株式会社豊田中央研究所(以下、豊田中研)は、エネルギー・環境領域における先端技術開発の加速と実用化に向けた共同研究の検討を開始しました。

産総研・トヨタ・豊田中研は、“カーボンニュートラルの実現に貢献する”という強い意志を持って、CO2排出量削減の上で重要な役割を担うエネルギーに焦点をあて、“地球にやさしく、いつまでも安心して使えるエネルギー”を社会で共有することを目指していきます。

カーボンニュートラルとは、「作る、運ぶ、使う。そしてリサイクルする。」という循環型社会における製品のライフサイクル全体で発生するCO2排出量を実質ゼロにすることです。これを実現するためには、「どのようなエネルギーを、誰が、どこで、どのくらい、どのように使うか。」が大変重要なポイントになります。各国・地域によってエネルギー事情が異なるため、CO2排出量をゼロにする選択肢はさまざまであると考えられます。一つのエネルギーや技術に絞るのではなく、私たち一人一人の暮らしや一つ一つの企業活動に応じたさまざまなエネルギーや活用技術の選択肢を拡げる研究に取り組んで参ります。

具体的には、以下の4つの項目から共同研究の検討をしていきます。

  1. カーボンニュートラルを実現するためのエネルギーシナリオの構築

産総研が開発したエネルギーモデルを用いて、将来のエネルギー関連技術の動向・エネルギー環境政策など社会情勢の変化がエネルギーの活用システムに与える影響を分析し、クリーンエネルギーの消費見込み・新技術の導入・環境への負荷・コストなどカーボンニュートラルを実現するためのエネルギーシナリオを構築。

  1. カーボンニュートラルと経済合理性を両立する街のエネルギーネットワークの構築

再生可能エネルギーを活用したカーボンニュートラルかつコストミニマムな街の最適なエネルギー構成、自動車開発で培った電動化技術を通じた良品廉価なエネルギーインフラを提案。

  1. 車載用高効率太陽光発電システムの開発

光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽光発電システムを搭載した電動車両の普及を目指し、太陽電池や太陽光発電システムの変換効率向上と低コスト化を追求。

  1. 水素を「作る、運ぶ、使う」ための要素技術の開発

水素社会の実現に向けて、「水素を生成する技術」、「安全に低コストで運ぶ技術(水素キャリア)」、「水素をエネルギーとして使う技術」におけるさまざまな課題を解決するための要素技術の開発。

産総研は国内最大級の国立研究機関であり、エネルギー・環境領域 福島再生可能エネルギー研究所やゼロエミッション国際共同研究センターを中心として、太陽光発電などの再生可能エネルギーや水素の製造・利活用などを含め、カーボンニュートラル実現に向けた最先端の研究を実施しています。トヨタと豊田中研は、カーボンニュートラルを実現する先進技術を早期に社会実装するためには、産官学連携が非常に重要であると考えており、産総研との連携を模索していました。

今後、産総研・トヨタ・豊田中研がしっかりと連携することにより、2050年カーボンニュートラルの実現に貢献するために多方面からさまざまな技術の可能性を探るとともに、志を同じくする新たなパートナーとの連携についてもオープンに検討し、共同研究の成果が社会で実装され普及し定着することを目指していきます。

以上

BEYOND ZERO

~マイナスからゼロへ、ゼロを超えた新たな価値を~

トヨタは、「地球という美しい故郷(Home Planet)を次世代に引き継ぐ」ために、社会や個人が抱える様々な課題の解決(マイナスをゼロにする)に取り組むだけではなく、ゼロを超えた新たな価値の創出・提供を目指し、「回答のない未来へ弛まぬ挑戦」を続けていきます。

BEYOND ZERO
https://global.toyota/jp/mobility/beyond-zero/
Sustainable Development Goals

トヨタは、革新的で安全かつ高品質なモノづくりやサービスの提供を通じ「幸せを量産する」ことに取り組んでいます。1937年の創業以来80年あまり、「豊田綱領」のもと、お客様、パートナー、従業員、そして地域社会の皆さまの幸せをサポートすることが、企業の成長にも繋がると考え、安全で、環境に優しく、誰もが参画できる住みやすい社会の実現を目指してきました。現在トヨタは、コネクティッド・自動化・電動化などの新しい技術分野にも一層力を入れ、モビリティカンパニーへと生まれ変わろうとしています。この変革の中において、引き続き創業の精神および国連が定めたSDGsを尊重し、すべての人が自由に移動できるより良いモビリティ社会の実現に向けて努力してまいります。

SDGsへの取り組み
https://global.toyota/jp/sustainability/sdgs/

今回の取り組みを通じて特に貢献可能なSDGsの目標

  • エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 気候変動に具体的な対策を
  • パートナーシップで目標を達成しよう

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