トヨタ自動車株式会社
このたびの認証不正問題では、お客様をはじめ、仕入先・販売店、工場のある地域など、多くのステークホルダーの皆様に多大なご迷惑・ご心配をおかけしておりますことを、改めて深くお詫び申し上げます。また、12月20日の公表以降、ダイハツ国内全工場の稼働を停止しておりましたが、昨日より一部車両の生産、出荷を再開することができました。再開に向けて、温かいお声を寄せていただいたお客様をはじめ、仕入先の皆様など、ご尽力いただいた関係する皆様に心より感謝申し上げます。
ダイハツ工業株式会社(以下、ダイハツ)は、2024年3月1日付の取締役人事を以下の通り行うことを決定いたしました。今後は、新たな体制のもと、再発防止策の徹底と今後の再生に向けた取り組みを進めてまいります。トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)としても、新生ダイハツを引き続きサポートしてまいります。
記
- 今回の狙い
ダイハツの変革・再生に向けては、お客様に寄り添い、暮らしを豊かにする「小型車を中心としたモビリティカンパニー」という原点に立ち返り、新たな会社に生まれ変わる覚悟で取り組まなければならないと考えております。
また、今回の認証不正の根本は身の丈を越えた負荷を現場に強いたことがあると考えております。ダイハツの立て直しにあたっては、経営が現場に降りていき、丁寧に現場の声を聞き、現場に主権を取り戻す経営をできる体制が必要だと考え、適材適所の観点から、検討・決定いたしました。
今後、新しい体制で、ダイハツ社内やステークホルダーの皆様と対話を重ねながら、今後のダイハツの事業の具体的な姿や、それを推進していく本部長以下の体制について検討・判断してまいります。そのうえで、新年度に新生ダイハツの体制・経営方針を説明する機会を設けたいと考えております。
- 取締役人事について(2024年3月1日付)
- 取締役の新任予定
氏名 | 現職位 | 新職位 | |
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井上 雅宏 | トヨタ自動車(株) 中南米本部(本部長) アルゼンチントヨタ(株)ブラジルトヨタ(有) ベネズエラトヨタ(株) |
代表取締役社長 | |
桑田 正規 | トヨタ自動車(株) Lexus International Co.
レクサス電動化推進PJT担当(Chief Project Leader) トヨタ自動車九州(株) 取締役副社長
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代表取締役副社長 | |
柳 景子 | トヨタ自動車(株) カスタマーファースト推進本部 副本部長 |
取締役(非常勤) |
- 取締役の退任
氏名 | 現職位 | 新職位 | |
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松林 淳 | 代表取締役会長 | - | |
奥平 総一郎 | 代表取締役社長 | - | |
武田 裕介 | 取締役・役員 営業CS本部 本部長 |
役員 営業CS本部 本部長 |
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枝元 俊典 | 取締役・役員 コーポレート統括本部 本部長 |
役員 コーポレート統括本部 本部長 |
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山本 正裕 | 取締役(非常勤) | - |
ダイハツ・トヨタによる共同記者会見(日本語および英語同時通訳)
トヨタ自動車 代表取締役社長 佐藤 恒治
佐藤でございます。
本日はダイハツ・トヨタの共同記者会見にお集まりいただき、ありがとうございます。
改めまして、ダイハツ工業による不正問題により、お客様にご迷惑・ご心配をおかけしておりますことを、お詫び申し上げます。
また、昨日、ダイハツ京都工場で、トヨタ・プロボックス、マツダ・ファミリアバンの生産・出荷を再開させていただきました。
再開に向けて、温かいお声をいただいたお客様、お支えいただいている仕入先・販売店の皆様、関係当局の皆様に、心より御礼申し上げます。
先週金曜に、ダイハツ奥平社長より、再発防止策を国土交通省にご報告し、「二度と不正を起こさない」という決意を行動で示していくことをお約束申し上げました。
先日、トヨタ自動車会長の豊田よりご説明申し上げたグループビジョンのもと、ダイハツは、トヨタとともに、安全・安心を第一に置いたクルマづくりを徹底し、「風土改革」「経営改革」「モノづくり/コトづくり改革」の3つの誓いに基づき、再発防止に取り組んでまいります。
ダイハツの原点は、「国民車」である軽自動車など小型車でお客様の暮らしをお支えすることです。
DNGAの取り組みをはじめ良品廉価なクルマづくりは本来のダイハツの強みであり、その原点に立ち戻り、会社をつくり変える覚悟で、ダイハツらしさを取り戻してまいりたいと考えております。
その考えのもと、改めて、ダイハツの事業領域を「軽自動車」に軸を置いた会社と定め、海外事業については、企画・開発・生産をトヨタからの委託に変更する方向で、詳細の検討を進めてまいります。
そして、将来的には、「小型車を中心にラストワンマイルまで視野に入れたモビリティカンパニー」という役割を担えるよう、あるべき姿を検討してまいります。
こうした方向性のもと、今後の再発防止の着実な実行と、将来の基盤づくりを推進していくために、ダイハツは経営体制を変更いたします。
3月1日付けで、松林会長と奥平社長は退任いたします。
会長のポストは廃止し、社長には、現在、トヨタで中南米本部の本部長を務める井上雅宏(まさひろ)、副社長には、星加副社長に加えてトヨタ自動車九州の桑田正規(まさのり)が新たに就任いたします。
井上次期社長は、ブラジル・アルゼンチンの「地域経営の再構築」など、長年、中南米事業の構造改革に取り組んでまいりました。
難しい決断も多い中で、現場のメンバーと徹底的に対話をして、改革を前に進めてきたリーダーです。
こうした経験を活かして、「現場経営」の責任者として、ダイハツの再生をけん引してまいります。
桑田次期副社長はこれまでの、人事や現場経営の経験を活かして、風土・組織改革の取り組みを推進してまいります。
星加副社長は、引き続き、品質統括本部長として、「認証不正を起こさない法規・認証関連業務の体制構築」を担当してまいります。
また、取締役には認証実務の経験が豊富なトヨタのカスタマーファースト推進本部の柳景子が新たに就任いたします。
法規認証への幅広い知見を活かして、確実な認証業務の遂行を支えてまいります。
今後、井上次期社長を中心とする新体制のもと、お客様に応援いただける会社に生まれ変わるために、ダイハツとトヨタが一緒になって、全力で取り組んでまいります。
何卒よろしくお願い申し上げます。
ダイハツ工業 新社長 井上 雅宏
只今、ご紹介に預かりました。井上でございます。
現在、トヨタ中南米本部長として、ブラジルに駐在しております。
3月1日よりダイハツ工業社長を拝命することになり、身の引き締まる思いでございます。
副社長の桑田、星加、取締役となる柳と共に、ワンチーム・ワンボイスで、課題に対応して参りたいと思います。
この度の不正につきましては、昨年4月の課題発生以降、第三者委員会調査、12月20日の調査結果報告などの情報を常に聞いて参りました。
この度、ダイハツ工業社長を拝命し、まず、頭に浮かんで参りましたのは、
- ダイハツ車両をお使い頂いているお客様、納車を待って頂くお客様
- 販売、サービスを担って頂いている国内外の販売店、業販店の皆様
- 生産・出荷が滞り、困っておられるサプライヤー、物流関係の皆様
- 国、自治体、地域の皆様にご迷惑、ご不便をお掛けしていることです。
心よりお詫び申し上げたいと思います。
ダイハツには、100年を超える歴史があり、現在は、連結会社雇用総数は4万人を超える会社です。
特に、ここ10年の成長は、ダイハツの長い歴史で鍛えてこられた様々な強みが、トヨタグループの中で発揮され実現されたのだと理解しております。
一方、この成長過程で、各職場が果たすべき業務の「質」と「量」が拡大してきたはずなのですが、その中で、現場の声、困り事を吸い上げきれず、課題を残したまま、業務遂行をさせてしまったことが原因だと理解しております。
トヨタ自動車社長の佐藤から申し上げました再発防止策について、ダイハツが力不足の点は、トヨタの力を借りながら、確実に実行していくこと。そして、不正を引き起こしたダイハツの組織・風土を、ダイハツメンバーと共に力を合わせて改革し、ダイハツ再生に、全力を尽くしたいと考えております。
なお、トヨタ、日野、いすゞ様、スズキ様とともに参画しておりましたCJPTにつきましては、ステークホルダーの皆様に多大なご迷惑をおかけしていること、また、今は再発防止に最優先で取り組む必要があることを踏まえて、脱退を申し入れ、各社からご承認をいただきましたことをご報告申し上げます。
トヨタは、グループ力を結集し、モビリティカンパニーに変わろうとしています。
ダイハツは創業以来、日本の国土、道に合った国民車とも言える小さいクルマによって人々の暮らしを支えてまいりました。
これを機に、原点に立ち戻り、「お客様に寄り添い暮らしを豊かにする」ことを使命とし、「小さいクルマを中心とした、モビリティカンパニー」として、全てのステークホルダーの皆様の幸せに貢献して参りたいと思います。
私は、トヨタ入社からの36年で約半分を海外、主に新興国で過ごして参りました。
人の話を聞くためには、まずは自分から話しかけ、相手の信頼を得ないと、本音を聞かせて貰えないことを経験して参りました。
まずは、自分が現場に出向き、自分から話しかけ、信用をして頂き、本音の話を伺うことから始めたいと思います。
従業員やステークホルダーの皆様と徹底的に対話をし、今後のダイハツのあり方を定め、4月にダイハツ新体制方針をご説明させていただきます。
ダイハツのメンバー全員で、心ひとつに再出発してまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。
以上
トヨタは、革新的で安全かつ高品質なモノづくりやサービスの提供を通じ「幸せを量産する」ことに取り組んでいます。1937年の創業以来80年あまり、「豊田綱領」のもと、お客様、パートナー、従業員、そして地域社会の皆さまの幸せをサポートすることが、企業の成長にも繋がると考え、安全で、環境に優しく、誰もが参画できる住みやすい社会の実現を目指してきました。現在トヨタは、コネクティッド・自動化・電動化などの新しい技術分野にも一層力を入れ、モビリティカンパニーへと生まれ変わろうとしています。この変革の中において、引き続き創業の精神および国連が定めたSDGsを尊重し、すべての人が自由に移動できるより良いモビリティ社会の実現に向けて努力してまいります。