1月27日(日)、2019年FIA世界ラリー選手権(WRC)第1戦ラリー・モンテカルロの最終日デイ4が、モナコ公国を基点に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのオィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヤリスWRC #8号車)が総合3位で、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(#10号車)が総合5位で、クリス・ミーク/セブ・マーシャル組(#5号車)が総合6位でフィニッシュ。ヤリスWRCで出場した全選手が選手権ポイントを獲得しました。
- #8号車(オィット・タナック、マルティン・ヤルヴェオヤ)
ラリー・モンテカルロのデイ4は、モナコ公国の北側に広がるフランスの山岳地帯で、2本のステージを各2回走行。4本のSSの合計距離は63.98kmでした。路面は全体的にドライコンディションとなり、デイ3までのステージのように雪やアイスバーンに悩まされる事無く、ドライバーたちはスピードの限界で4本のステージに挑みました。
デイ3で4本のSSを全て制し、総合7位から5位に浮上したタナックは、デイ4でもその勢いを持続。最初の2本のSSでベストタイムを記録し、総合3位につけていた選手と、4位ラトバラを抜き総合3位に浮上。続く2本のSSでは安定した走りで総合3位の座を堅持し、3年連続となるポディウムフィニッシュを果たしました。ラトバラは、4位の選手と激しい順位争いを展開していましたが、残念ながら逆転には至らず。さらに、タナック選手が総合3位に浮上したことで、4位と僅か1.7秒差の総合5位でラリーを終えました。デイ2でパンクにより大きく順位を落としたミークは、その後目覚ましいスピードで順位を徐々に挽回。8カ月以上のブランクを感じさせない、鋭い走りでタナックに匹敵する好タイムを何度も記録しました。そして迎えたデイ4では、ボーナスの選手権ポイントがかかる最終SSのパワーステージで、今大会初のベストタイムを記録。最大となる5ポイントを獲得し、総合6位でフィニッシュしました。
- #8号車(オィット・タナック、マルティン・ヤルヴェオヤ)
友山 茂樹(GAZOO Racing Company プレジデント)
WRCの2019年シーズンが始まりました。昨シーズンは、参戦2年目にしてマニュファクチャラーズタイトルを獲得したものの、その裏では、通算14回のリタイア、多くのトラブルに見舞われました。今シーズンは、速さと安定感を一段高いレベルに昇華させるべく、チーム一丸となって改善を積み重ねて、開幕戦のラリー・モンテカルロを迎えました。
今回のラリー・モンテカルロは、例年同様に刻々と変わる路面状況に加え、昨年にも増して、強力になったライバル達との駆け引きに、最後まで厳しい戦いを強いられましたが、3台とも大健闘しラリーを盛り上げることが出来ました。応援して頂いたファンの皆様に、心より感謝申し上げます。
特に途中パンクに見舞われ大幅なタイムロスをしながらも、15ステージ中7つのステージでトップタイムを刻み、3位表彰台を獲得したタナック/ヤルヴェオヤ組は、昨年同様、高い戦闘力を示してくれました。また、終始、冷静な走りで5位に食い込んだラトバラ/アンティラ組、そして、ヤリスWRCでの初ラリーを心から楽しみつつ、パワーステージでは圧倒的な速さを見せつけたミーク/マーシャル組の走りからも、今シーズンの活躍が期待できます。ヤリスWRCの安定したパフォーマンス、また、最高のチームワークからも、シリーズタイトル獲得に向けた手ごたえを感じることが出来ました。
TOYOTA GAZOO Racingは、今シーズンも、若き挑戦者として、世界中のWRCファンに興奮と感動をお届けできるものと確信しています。これからも、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamへの応援をよろしくお願いいたします。
トミ・マキネン(チーム代表)
素晴らしい結末、そして非常にポジティブなリザルトでした。貴重な選手権ポイントを獲得する事ができましたし、全部で15本走ったSSのうち、9本でベストタイムを記録できたのは、我々のクルマのパフォーマンスを証明するものです。また、我々と一緒に戦った最初のラリーで、クリスが示したパフォーマンスは非常に印象的でした。これからのシーズン、クリスはきっとライバルから警戒される存在になったと思いますし、皆が彼に注目し続けるでしょう。
オィット・タナック(ヤリスWRC #8号車)
表彰台に立てて本当に嬉しく思います。金曜日が終了した時点では、このような良い結果を期待していませんでした。比較的ドライなターマックステージで、ここまでタイムを挽回できたことに驚いています。今朝は良い走りができたので、後はフィニッシュまで順位を守れば良い状況でした。チーム、グラベルクルー、そしてクルマに心から満足しています。土曜日と日曜日は完璧な仕事ができましたので、自分達を誇りに思います。
ヤリ-マティ・ラトバラ(ヤリスWRC #10号車)
週末を通して僅差の戦いでしたが、自分にとってはベストな結果ではなく、4位でフィニッシュできなかったことに失望しています。しかし、今になって事前テストで見誤り、間違ったセットアップで今回のラリーに臨んだことに気がつきました。そのため私の運転ではかなりアンダーステアが強く、より速く走るために必要な自信を持てませんでした。とはいえ、ミスのない堅実な週末を送れたので、シーズンの始まりで価値あるポイントを獲得できました。我々のクルマには、ラリーで勝つだけの力があると私は理解しています。
クリス・ミーク(ヤリスWRC #5号車)
TOYOTA GAZOO Racingで戦った最初のラリーでパワーステージ優勝を飾り、素晴らしい結果となりました。この週末ステージ優勝は1回だけでしたが、それがパワーステージであったためボーナスポイントを獲得できました。他のドライバー達は最後まで順位争いをしていたので、全力を尽くして走り5ポイントを得られたのは素晴らしい気分です。今回は問題に見舞われましたが、それさえなければ4位も十分可能だったはずです。それでも、自分達の速さを示すことができて本当に良かったと思います。クルマのフィーリングはとても良く、このラリーで全てが自分のものになったような気がします。まだ1戦が終わったに過ぎないので、集中力を失うことなく次のスウェーデンに臨むつもりです。
- 1
- セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(シトロエン C3 WRC)3h21m15.9s
- 2
- ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー(ヒュンダイ i20クーペ WRC)+2.2s
- 3
- オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ(トヨタ ヤリス WRC)+2m15.2s
- 4
- セバスチャン・ローブ/ダニエル・エレナ(ヒュンダイ i20クーペWRC)+2m28.2s
- 5
- ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ(トヨタ ヤリス WRC)+2m29.9s
- 6
- クリス・ミーク/セブ・マーシャル(トヨタ ヤリス WRC)+5m36.2s
- 7
- ガス・グリーンスミス/エリオット・エドモンドソン(フォード フィエスタ R5)+13m04.6s
- 8
- ヨアン・ボナート/ベンジャミン・ボウルード(シトロエン C3 R5)+13m56.5s
- 9
- ステファン・サラザン/ジャック-ジュリアン・レヌッチ(ヒュンダイ i20 R5)+14m06.8s
- 10
- アドリアン・フォルム/ルノウ・ジャムール(シトロエン C3 R5)+16m03.4s
WRC次戦は、2月14日から17日にかけて開催される第2戦ラリー・スウェーデンです。シーズン唯一のフルスノーラリーであるスウェーデンは、ラリー・モンテカルロとは異なり、雪と氷で表面が完全に覆われたグラベル(未舗装路)の森林ステージが舞台となります。そのためラリーカーは、スタッド(スパイク)が埋め込まれた、雪道専用のスノータイヤで走行。スウェーデンのスノーステージは非常にハイスピードで、チームにとっては17年のWRC復帰初年度に、ラトバラがヤリスWRCで最初の勝利を飾った1戦です。
- #8号車(オィット・タナック、マルティン・ヤルヴェオヤ)
- #10号車(ヤリ-マティ・ラトバラ、ミーカ・アンティラ)
- #5号車(クリス・ミーク、セブ・マーシャル)
以上
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