トヨタ自動車(株)は、2023年9月6日13時30分より、「センチュリー」のワールドプレミアを実施しました。
センチュリー ワールドプレミア
日時
2023年9月6日(水)13:30~13:45
出席者
トヨタ自動車株式会社 取締役・執行役員 デザイン領域統括部長 Chief Branding Officer Simon Humphries(サイモン・ハンフリーズ)
内容
プレゼンテーション
取締役・執行役員 デザイン領域統括部長 Chief Branding Officer サイモン・ハンフリーズ プレゼンテーション(日本語訳)
皆さん、こんにちは。
今日は、トヨタのポートフォリオの頂点に位置するクルマ、センチュリーにとって特別な一日です。
センチュリーは、日本人の感性の高さを象徴する唯一無二のクルマ。
トヨタの誇りとして生まれ、日本の誇りになったといっても過言ではないでしょう。
会社の壁を越え、日本のみんなで生み出したショーファーカーなのです。
そして、その日本は変わりつつあります。
しかし、未来を理解するためには、まず過去を理解しなければなりません。
偉大なプロダクトは、偉大な人々によって生み出され、そのプロダクトを通じてさらに世の中によい影響を与えようと奮闘する…
センチュリーは、そうした人物の一人に敬意を表して名づけられました。
1967年に発売されたセンチュリーは、トヨタグループの創始者である豊田佐吉の生誕100周年を記念したものなのです。
佐吉さんが実践した“規律あるモノづくりの信念”は、今日に至るまでトヨタの基本理念であり続けています。
1960年代、初代センチュリーが開発された頃、日本はまだ新興経済国。
トヨタはまだ、エキゾチックな輸入高級車と競うことすらできていなかったのです。
豊田章一郎さんがセンチュリーをつくろうとしたことは、大きな賭けでした。
1年以上、章一郎さんは、中村健也チーフエンジニアが率いるセンチュリーチームに入り込み、昼夜を問わず働きました。
最先端の技術に挑戦するだけではいけない。
日本に息づく伝統、そして文化的価値までを取り入れ、唯一無二のものを生み出すことが必要だったのです。
センチュリーを生み出した哲学は、世代を超え、受け継がれているのです。
章一郎さんは、3世代にわたるセンチュリーの開発すべてに関わり続けました。
2018年に登場した現行のセダン開発で、私は細部への徹底的なこだわりを目の当たりにしました。
章一郎さんは当時90歳を超えていたのですが、センチュリーへのひたむきなビジョンは、一点の曇りもありません。
後部座席の寸分たがわぬ位置に関してなど、細部に至る彼の質問に驚かされたことを鮮明に覚えています。
ミリ単位で、一度刻みで、自分が見てきたものを我々に見せてくれたのです。
その着眼点を理解するには、センチュリーのお客様の“一日の過ごし方”を想像する必要があります。
多くの場合、このようなお客様は、人目に触れるあらゆる瞬間のあらゆる動作が注目されます。
到着時と出発時は、人柄が伝わる最初で最後の重要な場面となります。
公務からプライベートへのエレガントな移行は、それ自体が芸術であり、その移行をできる限り自然でシームレスにすることがセンチュリーの役割なのです。
章一郎さんからの最大の教えは…
お客様の想いを細部まで理解しようとすることが、クルマづくりの細部へのこだわりのキーになるということ。
そしてそのお客様たちは今、変わりつつあるのです…
新しい世代が、新しい考え方、新しい働き方で、新しい業界をリードしているのです。
豊田章男さんはそのことを痛感していました。
センチュリーが変わらなければならないことを知っていたのです。
一方で、センチュリーの象徴を犠牲にすることなく、時代とともに進化できるとも信じていました。
章男さんは、時代の変化を受け入れ、より冒険的な道を歩むよう私たちの意欲をかきたててくれました。
センチュリーが目指すべき姿とは…
威厳があるが大胆で、思慮深いが自信に満ちていて、そして、繊細だが表情豊か。
センチュリーの象徴である「不死鳥・鳳凰」。
これ以上ふさわしいモチーフはありません…
そう、新たな時代の幕開け…
ご覧ください。
センチュリーから、次の100年を見据えたセンチュリーへ。
センチュリーの伝統が大胆に進化した。
そう思っていただけるのではないでしょうか。
このクルマをはじめて見た章男さんは、只々「Wow!」と驚いてくれたことを覚えています。
まったく新しい方向性でありながら、センチュリーであることに変わりはないのです。
そして、セダンとともにトヨタの頂点に立つにふさわしい新型車となりました。
まさに「鳳凰」の2つの翼なのです。
なぜ、このような答えにたどり着いたのか。
それは、多様なお客様のニーズに端を発しているのです。
彼ら彼女らは、仕事に向き合うスペースも必要だが、くつろぐスペースも必要。
話を楽しむスペースも必要だが、逃げ出すスペースも必要。
考えるスペースを求めると同時に、インスピレーションを得るスペースも求めている。
プライバシーを重視しながらも、パブリックライフも受け入れる。
つまり私たちは、お客様が個人的な体験を、現実的にも感情的にもキュレートできるクルマをご用意する必要があったのです。
その結果、世界のどこにもない日本独自のフラッグシップが誕生したのです。
この構造によって、お客様は一瞬のうちに、シームレスにさまざまな時間を過ごすことができます。
この空間でもっとも重要なのが後部座席です。
集中力や生産性が必要なとき、決して邪魔にならないように、必要なすべてのものが手元にあること。
そして、実用的な要素だけでなく、乗客とドライバーのプライバシーをつくり出すちょうどいい距離がある…
また生産性を高めるにはインスピレーションや創造性、つまり、考えたりリラックスする時間も必要です。
最も静粛性の高いクルマとして、センチュリーは完璧な環境を整えました。
どんな速度であれ、車内で大きな声を出さなくても、自然に会話を楽しめます。
PHEVにより、日常移動の大半は静粛性が高く、ゼロ・エミッションとなります。
これは、四輪操舵および四輪駆動とともに、プロのドライバーが車両姿勢をよりコントロールできるようになり、すべてのお客様にさらなるスムーズな乗り心地をお届けするものです。
心休まる空間の中で、気分に合わせて照明や音響も自由に選ぶことができます。
調光ガラス、さらには世界最高峰の楽器をつくる日本の知見が生きたオーディオシステムもそうです。
しかし、とにかく眠りたい時もあるでしょう。
靴を脱いで、全身を伸ばして…。
まるで“繭(まゆ)”のように自由にくつろげる、あなただけのプライベートオアシスにもなります。
そして、これらは出発点に過ぎません…
もちろん、どのセンチュリーもテーラーメイドのようにお客様のご要望にお応えできるのです。
カラーであれ、素材であれ、シートコンフィギュレーションであれ…
到着時にクルマから降りる方法まで…
そう、ドアまでも選べるのです。
驚くほどワイドに開くスイングドアかもしれないし、よりドラマティックなものかもしれません。このエントランス、いかがでしょう?
目的地に着けば、リフレッシュしてセンチュリーから降りることができます。
想像力次第であらゆる可能性があるのです…
週末に自らドライブを楽しみたいなら、GRMNはきっと期待を裏切らないでしょう…
可能性は無限であり、お客様と一緒につくりあげていくのです…
トヨタは、すべての人が、どんな状況や立場であっても「自由に移動できる」という価値を信じています。
その中でも、社会におけるショーファーカーの役割は極めて重要なのです。
クルマは、お客様の人生を表現し、拡張するものでもあります。
それが、ゼロ・エミッションの「FCEVクラウンセダン」の艶やかな品格なのか、あるいは、アルファードやヴェルファイアのアグレッシブさやスペースなのか…
我々は、誰もが自分自身を表現できるための選択肢をお届けしていきます。
センチュリーは、トヨタのショーファーカーのビジョンを象徴する存在です。
大胆でダイナミックでありながら、センチュリー本来の味わいも保っている。
本質的にシンプルだが、深みもある…
モダンでありながら伝統を継承している。
センチュリーは、美的にも概念的にも、日本ならではの感性の良さをすべて体現したのです。
今日の革新が、明日の伝統になっていく。
クルマの未来を変えていこう!
本日はありがとうございました。
関連リンク
以上
~マイナスからゼロへ、ゼロを超えた新たな価値を~
トヨタは、「地球という美しい故郷(Home Planet)を次世代に引き継ぐ」ために、社会や個人が抱える様々な課題の解決(マイナスをゼロにする)に取り組むだけではなく、ゼロを超えた新たな価値の創出・提供を目指し、「回答のない未来へ弛まぬ挑戦」を続けていきます。
- BEYOND ZERO
- https://global.toyota/jp/mobility/beyond-zero/
トヨタは、革新的で安全かつ高品質なモノづくりやサービスの提供を通じ「幸せを量産する」ことに取り組んでいます。1937年の創業以来80年あまり、「豊田綱領」のもと、お客様、パートナー、従業員、そして地域社会の皆さまの幸せをサポートすることが、企業の成長にも繋がると考え、安全で、環境に優しく、誰もが参画できる住みやすい社会の実現を目指してきました。現在トヨタは、コネクティッド・自動化・電動化などの新しい技術分野にも一層力を入れ、モビリティカンパニーへと生まれ変わろうとしています。この変革の中において、引き続き創業の精神および国連が定めたSDGsを尊重し、すべての人が自由に移動できるより良いモビリティ社会の実現に向けて努力してまいります。