実用化に向け進化したe-Paletteのオンライン発表会

トヨタ自動車は、実用化を目指して進化したe-Paletteを公開する「オンライン発表会」を2020年12月22日(火)に開催しました。その模様を動画でご覧いただけます。

「実用化に向け進化したe-Paletteのオンライン発表会」概要

  • 日時
    2020年12月22日(火) 15:00~15:30
  • 説明者
    コネクティッドカンパニー President 山本 圭司

コネクティッドカンパニー President 山本 圭司 スピーチ

e-Paletteの歩みと、今回お伝えしたいこと

トヨタ自動車 コネクティッドカンパニーの山本でございます。
皆様、本日は年末のお忙しい中、e-Paletteのオンライン発表会にご参加いただき、有り難うございます。
はじめに、新型コロナウイルス感染症に罹患(りかん)されている方々、また、様々な影響を受けている方々に、心よりお見舞い申し上げます。
それでは、e-Paletteの歩みと今回お伝えしたいことについてお話ししたいと思います。

e-Paletteを初めて発表したのが、今から3年前の2018年1月にラスベガスで開催されたCESでございます。
従来のクルマの概念を越えて、お客様にサービスを含めた新たな価値を提供できるモビリティの象徴としてe-Paletteを発表し、あわせてサービスを実現するためのモビリティサービスプラットフォーム、MSPFも発表いたしました。
その際、社長の豊田が、トヨタを自動車会社からモビリティカンパニーへ変革していくことを宣言いたしました。

昨年のモーターショーでは東京の晴海にあるオリンピック・パラリンピックの選手村で、実際に選手の移動に活用されるe-Paletteをお披露目いたしました。
そして、e-Paletteを始めとした様々なモビリティを基に、新しいモビリティ社会を提案し、創り上げるためには、これらを走らせる街が必要と考え、今年のCESではWoven Cityを発表させていただきました。
Woven Cityは未完成の街、実験の場でもあり、ここでe-Paletteを走らせ、様々な学びを得て、さらにe-Paletteを進化させて参ります。

一方、先日の決算発表では、社長の豊田がトヨタフィロソフィーをご紹介いたしました。このフィロソフィーはトヨタの起源であり不変的なものです。
ビジョンは「可動性を社会の可能性に変える」ですが、このビジョンに込められたもう一つの意味は、「幸せの量産」です。
これらを実行する基盤の一つがe-Paletteだと思っています。

なお、私ごとになりますが、来年1月よりトヨタの『Chief Information & Security Officer』と、『Chief Software Officer』という役割を担うことになりました。
私のミッションは、モノづくりで培われたトヨタのハードウェアの強みに、先進的なIT技術やソフトウェアを融合し、技術力と開発スピードを上げることだと思っています。そして、e-Paletteを始めとする様々なモビリティをいち早く実用化し、より安全・安心で快適な移動サービスを皆様にお届けしたいと思います。

ここ最近、行政の皆様やサービス事業者、メディアの皆様から、「オリンピック・パラリンピックが延期されたが、そこで運行する予定だったe-Paletteはどうなっているのか?」というお問い合わせを多くいただきます。

コロナウイルスが依然として猛威を振るう中で、それでも私たちトヨタは未来のために、Woven Cityやe-Paletteの開発を着実に進めて参りました。

本来であれば実際にe-Paletteにお乗りいただきたかったのですが、昨今のコロナウイルス感染拡大の状況に鑑みてオンラインでの発表とさせていただきました。
オンラインではありますが、本日こうして進化したe-Paletteを皆様にご覧いただけることを、大変嬉しく思っております。
それではさっそく進化したe-Paletteの話に移りましょう。

その後の取り組みと進化したe-Palette

皆様も良くご存じの様に、コロナウイルスの感染拡大によって、人々の生活様式は変化し、「人と接触せずに移動する」、更には「人が移動するのではなく、モノやサービスが来る」など、モビリティへのニーズは多様化しています。
また少子高齢化の加速により、自動運転による新しいモビリティサービスのニーズも高まってくると考えています。
この様に今後e-Paletteが提供する様々なサービスを支える仕組みと技術がMSPFです。

お客様のモビリティサービスへのご期待は、「必要な時に、必要な場所へ、時間通りにいける」、また、「必要な時に、必要なサービスやモノが、時間通りに提供される」ことだと思っています。言い換えれば、ジャスト・イン・タイムなモビリティサービスが必要とされており、これを実現するためには、トヨタ生産方式、TPSの考え方を織り込むことがとても重要だと思っています。

MSPFの新たな機能として、TPSを活用した、“AMMS”と、更には“e-TAP”で構成される運行管理システムをこの度開発しました。

まずは、e-Paletteのサービスがどのようになっているのか、走行している様子をご紹介します。

e-Palette紹介映像

いかがでしたでしょうか。
それではここからは、AMMSとe-TAPをそれぞれご説明したいと思います。

AMMS

AMMSは、TPSによる究極の“ジャスト・イン・タイム・モビリティ”を目指し、「必要な時に、必要な場所へ、必要な台数だけ」e-Paletteを配車するシステムです。

e-Paletteは事前に立てられた計画をもとに自動で運行されますが、例えば、停留所で待っているお客様が増えた場合は、運行計画に修正を加えることで、リアルタイムに自動で追加の車両を投入します。
これがAMMSの基本機能です。

また、追加車両が投入されることで運行間隔にバラツキがでることを防ぎ、等間隔での運行を実現します。

車両に異常が発生した場合には、自動で検知し、車庫に回送します。代替車両を即座に運行ルート上に投入することで安定した運行を実現します。

また、緊急時には遠隔での車両停止/復帰ができ、二重で安全管理ができるのでより安心してご利用いただけます。

e-TAP

次にe-TAPのご説明をいたします。
e-TAPは、TPSにおける“自働化”の考え方に基づき、「目で見る管理」を導入し、運行に関わるスタッフをサポートするシステムです。

車両やスタッフの異常を見える化することで、運行管理センターに居るスタッフが複数台を同時に監視することを可能にします。これによって、少ない人数で安全・安心に運行することができます。

また、搭乗員や保守員など、運行に必要なスタッフに対し、次に行う作業を自動で指示します。

また、作業の進み具合を見える化し、状況に応じてタスク管理を行うことで、作業時間のばらつきを低減し、限られたスタッフでも高品質なサービスを提供することを可能にします。
以上が、AMMSとe-TAPの説明になりますが、もともとこれらのシステムは、東京オリンピック・パラリンピックの車両の運行管理用に開発されたものです。

本日はその一端をご紹介させていただきましたが、この様な仕組みは、一般の交通機関への適用も可能と考えており、持続可能なモビリティ社会の実現、ひいてはSDGsの取り組みにも貢献できると思います。

Woven Cityと共に進化するe-Palette

ここからはe-Paletteの更なる進化についてお話をしたいと思います。
トヨタは自動車産業が直面している「100年に一度の大変革期」に対応するために、開発の仕方や製品の作り方そのものも替えようとしています。それがソフトウェア・ファーストです。
このソフトウェア・ファーストの視点で、ソフトウェアのエンジニアたちがクルマを作ればどうなるか、というのを考えた結果生まれたのがe-Paletteです。

では、こちらの映像をご覧下さい。

TRI-AD CEO James Kuffner インタビュー映像

さて、トヨタのハードには元来、3つの強みがあると考えております。
ひとつは耐久性の良さであるDurability、次に交換部品の手の入りやすさを意味するParts Availability、最後に、修理のしやすさであるRepairabilityです。
実際、協業パートナーであるMaaS事業者の皆様は、トヨタのこの3つの強みを評価し、トヨタ車を選んでいただいております。
e-Paletteはソフトウェアのスピード感と、従来のトヨタが持つハードの強みを掛け合わせることで、様々な市場のニーズやお客様のご期待に迅速にお応えして参ります。

先日、Woven Cityの鍬入れ式を来年の2月23日と発表いたしました。Woven Cityでは、ヒトを中心として、より良い暮らしを追求する街を目標に掲げ、新しいビジネスやサービスを生み出し続ける場になろうとしています。e-Paletteは、未完成で常に成長し続ける実証実験の街Woven Cityで鍛えられ、共に成長し続けます。

最後になりますが、社長の豊田は、常々、「色々な情報が繋がると、より人中心で考える必要がある。人を中心に置き、人間同士が繋がり、人のぬくもりや優しさを感じることができる、ヒューマンコネクティッドな社会を実現しよう」と申しております。
そのためにも、これからもWoven Cityやe-Paletteの開発をどんどん進めて参ります。
また、e-Paletteは、パートナーの皆様にご支援をいただきながら、今後Woven Cityを含む、複数のエリア・地域で商用化を目指して参ります。
そして様々な場所でお客様の幸せを量産することに貢献して参りたいと思っています。

ご清聴、有り難うございました。

Q&A

質問1
箱型の自動運転EVが様々なところで発表されていますが、他社との違いは何でしょうか?
他社との比較は控えさせていただきますが、私たちがこだわったe-Paletteの特徴を改めて紹介したいと思います。

1つ目がデザインです。箱型・低床・大開口ドアなど、広々とした室内を実現しました。また、未来を予感させるデザインには特にこだわりました。これによりベビーカーを使用するお母さまや車椅子の方にも安心してご利用いただくことができます。
2つ目の特徴としまして、どんな自動運転システムでも装着可能な制御インターフェイスを備えています。また、もしシステムに故障や異常があった時にクルマを安全に停止する、もしくは安全に走行させるためのバックアップとして、e-Paletteを守る守護神のようなガーディアンシステムが装備されています。
最後に一番申し上げたいのは、e-Paletteは単に車両のみを意味しているのではなく、本日ご覧いただいたように、サービスを運行するシステムとパッケージでご提供でき、いわゆるプラットフォームとして車両とシステムを提供するということです。言い換えれば、e-Paletteの車両はモビリティサービス・プラットフォーム(MSPF)を構成する一要素です。e-Paletteをお使いいただくサービス事業者の皆様と議論しながら、e-Paletteを進化させていきたいと思います。

質問2
e-Paletteのサービスは、いつ頃開始されますか?

e-Paletteを早く市場で見てみたいという応援にも値するご質問かと思います。実際のサービスとしては、来年の東京オリンピック・パラリンピックの選手村での運用を考えております。まずは東京オリンピック・パラリンピックに集中し、その後の展開については、Woven Cityを始め日本各地の様々な場所でe-Paletteを運行したいと考えています。現在、サービス事業者や地方自治体の皆様と議論を重ねているところです。

質問3
e-Paletteのパートナー企業はどこですか?

特定の企業名は差し控えさせていただきますが、うれしいことに色々な方々からのお引き合い、ご興味をいただいています。例えば、シャトルバスのように人を運ぶ「人流」、宅配のような「物流」は当然のこと、さらには移動店舗、移動オフィスなどの「コト運び」にも多くの関心を寄せていただいております。
昨今の新型コロナウイルスの影響もあり、最近は、医療機関の皆様からのご質問も多くいただいており、一日も早くe-Paletteを市場に投入し、社会のお役に立てるよう、開発を加速していきたいと考えています。

質問4
自動運転は実社会で本当にやるのでしょうか?

自動運転技術の開発は日本だけでなく世界各地で取り組まれており、自動運転に関するニュースを目にしない日はないほどですが、日本ではまだ実証実験のフェーズを超えていないと感じています。
自動運転と一口に言いましても、自動運転の技術開発と、自動運転の社会をつくることでは意味が違うと思っています。特に後者は、法整備に加え、社会受容性などにも配慮しながら進めていくことになります。そのためには行政の皆様や、自動車工業会を中心とした自動車業界全体で議論を進めているところです。自動運転車両やその仕組みは間違いなく社会の発展に寄与できるものであり、競争領域と協調領域をしっかり見定めながら、業界をあげて連携を進め、一日も早く社会の役に立てる自動運転の完成を自動車業界として目指して参りたいと思います。

以上

Sustainable Development Goals

トヨタは、革新的で安全かつ高品質なモノづくりやサービスの提供を通じ「幸せを量産する」ことに取り組んでいます。1937年の創業以来80年あまり、「豊田綱領」のもと、お客様、パートナー、従業員、そして地域社会の皆さまの幸せをサポートすることが、企業の成長にも繋がると考え、安全で、環境に優しく、誰もが参画できる住みやすい社会の実現を目指してきました。現在トヨタは、コネクティッド・自動化・電動化などの新しい技術分野にも一層力を入れ、モビリティカンパニーへと生まれ変わろうとしています。この変革の中において、引き続き創業の精神および国連が定めたSDGsを尊重し、すべての人が自由に移動できるより良いモビリティ社会の実現に向けて努力してまいります。

SDGsへの取り組み
https://global.toyota/jp/sustainability/sdgs/

今回の取り組みを通じて特に貢献可能なSDGsの目標

  • すべての人に健康と福祉を
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 住み続けられるまちづくりを

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