米国で人工知能や自動運転・ロボティクスなどの研究開発を行うToyota Research Institute(TRI)の子会社で、シリコンバレーに拠点を置くベンチャーキャピタルファンドの「Toyota AI Ventures(以下、TAIV)」は、自動運転モビリティやロボティクス関連分野に代表される革新的な技術開発や新規事業の創出に取り組むベンチャー企業に投資を行う、1億ドルの2号ファンドを新たに設立することを発表しました。

TAIVは、起業家精神にあふれた企業・人材との連携拡大を目的に、1億ドルを投じて、2017年7月にTRIの子会社として設立されました。設立から現在までに、TAIVは、様々な技術・事業領域に取り組むベンチャー企業19社に投資を行っています。今回の2号ファンドの設立により、将来有望なベンチャー企業へ投資やサポートを行うTAIVの資産総額は1号ファンドをあわせて2億ドル以上となります。

TAIVのマネージング・ダイレクターを務めるジム・アドラーは、「自動車業界の急速な変革期において先頭に立つには、自動車メーカーはベンチャー企業のエコシステムに参画する必要があります。ベンチャー企業への投資により、モビリティにおける最新のイノベーションを発掘することにつながる長期的関係を築くことができるのです」と語りました。

TAIVは、様々な業界において、人工知能、データ、クラウド技術などを使って重要社会課題の解決や新たな市場創造に取り組む、設立間もないベンチャー企業を投資対象としています。現在の投資先は、日常生活の自動化支援に使われるロボットを開発する「Elementary Robotics」、人工知能の認識技術を活用して人と共生するロボティクス技術に取り組む「Intuition Robotics」、一般乗客向け電動垂直離着陸機サービスの先駆者である「Joby Aviation」、レベル4自動運転のシャトルサービスをコミュニティ内で提供する「May Mobility」、船舶業界向けの自動操縦・ナビゲーションシステムに取り組む「Sea Machines」など、多岐にわたります。

TAIVはこれまでも出資に加えて、製品の市場導入適合やトヨタの専門技術・グローバルネットワークの活用など、投資先企業の長期的な成功に向けた支援を行ってきましたが、2号ファンドを活用することでこのような投資先への支援も拡充していきます。

TRIのCEOでTAIVの投資委員会メンバーでもあるギル・プラットは、「自動運転システムへの関心の高まりは、AIや次世代モビリティ技術を活用して私たちの生活を向上させる大きな機会をもたらしています。Toyota AI Venturesは、テクノロジーベンチャー企業と、新たに生まれつつあるモビリティ産業との橋渡しをすることにより、私たちが将来の有力なリーダーたちを見つけ出し、投資を行うことの助けとなります」と語りました。

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