トヨタ自動車販売(株)では、新型車トヨタカローラを11月5日より発売する。

トヨタカローラはトヨタ技術陣が数年の歳月を費し、技術の粋を集めて世に送るわが国大衆車市場の本命ともいうべき5人乗り乗用車である。

この車は、わが国の幅広い層に定着させることを目的として設計され、性能、装備、車格などあらゆる面に余裕をもたせるため1,077cc強力60馬力、水冷直列四気筒エンジンを搭載、各部分に思い切った新機構を採用し、加速性能ではヨーロッパにおける同クラス車の水準を上回り、まさにわが国のハイ・コンパクトカーというにふさわしい車である。

今回発売されるのは、トヨタカローラデラックス、トヨタカローラスペシャル、トヨタカローラスタンダードの乗用車3車種である。

なお販売は全国パブリカ販売会社で扱う。

主な地区の価格は次の通り。(単位 千円)

札幌は寒冷地仕様
  東京 札幌 名古屋 大阪 福岡
カローラ・デラックス 495 517 490 495 505
カローラ・スペシャル 472 494 467 472 482
カローラ・スタンダード 432 471 472 432 442

生産台数は当面月産5,000台、将来は月産2~3万台までにもってゆく予定。

トヨタカローラの主な特徴

  1. ざん新なスタイル
    純粋に日本人の手になるトヨタ独自のスタイル
    フロントは豹の目を思わせるダイナミックなヘッドランプ。中央部が優美なふくらみをみせるボンネット、リアはシャープな流れをみせるセミ・ファストバック、全体的に曲面を多用した流動感あふれるざん新なスタイルである。
  2. ヨーロッパの水準を破った高速設計
    1,077cc強力60馬力/6,000回転、0発進400米 19.7秒、最高速度140km/hなど1,500ccクラスの実力である。
    前進四段後退一段のオール・シンクロ、フロアシフト。サードで105キロまで引っ張ることができる。
    なお、エンジンは20度右に傾けてあり、重心を低くすると共に吸入効率をよくしている。
  3. リビング・ルームそのままの快適設計
    豪華な室内は余裕のある5人乗り、前後座席は完全セパレート・タイプ、運転席、助手席とも前後に12cm移動調節でき、デラックス、スペシャルでは背もたれの角度を16段も調整できるほか、前席シートを倒せば後席背もたれとつながるフル・リクライニングである。
    前輪懸架装置はストラット型。コイルばねと横おき2枚板バネを併用した新しい方式。後輪は板ばねの上に吸振板バネをおいた独特の構造である。またクラッチはなめらかなつながりをみせるダイヤフラム式を採用した。
  4. すべての雑音をしゃ断した静しゅく設計
    音を出さない、音を伝えない、音を入れない、この三原則を徹底的に追求した設計である。
    5ベアリングのクランクシャフト、独特のハイ・カムシャフトなどで騒音を少なくしたエンジン、独特の前後輪懸架装置、三重の防音装置のあるフロア、吊下げ式の天井など音に対する配慮は行きとどいている。
  5. 健全家計にぴったりの経済設計
    公式燃費は1リッターあたり22キロ、圧縮比9.0とスポーツ・カーなみにもかかわらず冷却効率がよいので高価なハイオクタンガソリンを必要としない。足まわりは給油不要、定期点検も5,000キロ走行ごとである。
  6. あらゆる使用条件に耐える耐久設計
    堅牢な一体構造式のユニフレーム型ボデー、クランク・シャフトに5ベアリングを採用して耐久性にすぐれたエンジン。
    塗装も下塗りはすみずみまで被膜で覆うことのできる電気泳動塗装に静電塗装を重ねている。
  7. 安心して高速ドライブが楽しめる安全設計
    ハンドル中央部、計器盤の上、前席背もたれの裏側、サンバイザーなどは分厚い安全パッドで覆ってある。室内も、鉄板の露出部分は殆どない。
    広い前後方視界、ドライバーの座高に合わせて調節できるバック・ミラー、無反射ガラスの計器盤、2スピード・ワイパー、など安全性に対する配慮も充分である。安全ベルト装着金具も全車にとりつけてある。

そのほか、日常点検に必要な部品をすべてエンジンの上側に集め、手やワイシャツの袖を汚すことのないよう考慮が払われており、あらゆる面でお客本位の設計がなされている。

なお、トヨタカローラは高岡工場で生産される。

以上

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  • デラックス(KE10-D)
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  • 初代 カローラ 1966
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  • KE10
    KE10
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