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水素
革新的な次世代FCシステムにより、商用ユースを中心に水素需要拡大を目指します
トヨタは、カーボンニュートラルの実現を目指してCO2排出量の削減を進める中で、水素を重要な燃料と位置づけています。水素利活用の促進による「水素社会」の実現に貢献するために、乗用・商用のトラックやバスを含めた燃料電池自動車(FCEV)だけではなく、FC定置式発電機の開発・実証運転などFC製品の普及、内燃機関を活かす水素エンジン車の開発など、水素を「つくる/はこぶ/ためる/つかう」の各領域において、様々な業界のパートナーの方々との取り組みを進めています。
- 次世代FCシステム
- 商用ユース(高寿命、低コスト、低燃費)に応える業界トップクラスの性能を実現する革新的な次世代燃料電池セルを開発中。2026年実用化を目指す
- ディーゼルエンジン車を凌ぐメンテナンスの容易さ、スタックコストは1/2(現行比)を追求、航続距離は20%向上(現行比)を見込む
- 大型商用タンク
- 大規模な水素消費の見込まれる大型商用車用タンクの規格化(原単位づくり)に挑戦し、水素需要の拡大を加速。欧/米/日各社のタンク規格を統一化して数量をまとめることで製造コスト25%低減を目指す
- 大型商用車向けの液体水素タンクも開発中
- マルチ水素タンク(コンセプト)
- 大型車から小型車まで様々なタイプの車両に対応できるよう、搭載性に配慮して設計した水素タンクを開発中。既存の車両をFCEVや水素エンジン車に転換することが可能に
- 水素を「つくる」 : 水電解による水素製造・バイオガスからの水素製造
- MIRAIで培った燃料電池スタック・セルの技術を応用し、水を電気分解して水素を製造する水電解装置を新たに開発し、(株)デンソー福島の工場での実装を開始
- タイで、現地の鶏糞や廃棄食料由来のバイオガスから水素を製造する取り組みを2023年末までに開始。三菱化工機(株)、豊田通商(株)と連携
- 水素エンジン車 : 実証車(ナンバー取得済み。公道走行可能)
- カーボンニュートラル実現に貢献するための新たな選択肢として、水素エンジン車の市販化を目指した開発を加速
- ディーゼルエンジン車の技術を活用した排気浄化システムなどを組み込み、車両全体での検討を推進
カーボンニュートラル(CN)燃料
保有車のCNにつながるバイオ燃料の普及に向け様々なパートナーと連携して取り組みます
カーボンニュートラル実現のためには、新車販売を中心とした電動車の普及だけではなく、お客様が日常使われている保有車の走行中のCO2排出量削減も重要なテーマです。多様な車両・地域・お客様のニーズにお応えするため、多様なエネルギーの選択肢を提供することが求められます。再生可能エネルギー由来の電力を基にした水素や合成燃料、バイオエタノール燃料などについて、原料調達から製造工程におけるCO2排出量削減や社会実装に向けて、業界の垣根を超えて様々なパートナーの方々との取り組みを進めています。
- e-fuel
- 水素が安価な地域ではFCで水素をそのまま用いて地産地消。水素が高価な地域では製造コストが安い地域でe-fuelを製造し輸送することで、トータルコストが優位にできるポテンシャルを検証していく
- バイオ燃料
- 2022年7月、トヨタを含む民間7社で「次世代グリーンCO2燃料技術研究組合」を設立、第2世代バイオエタノール燃料の製造技術構造を目指して研究を推進
- 新興国で活用が拡大。バイオ燃料(エタノール)対応車両の投入など適時・適地・適車の展開を推進
~マイナスからゼロへ、ゼロを超えた新たな価値を~
トヨタは、「地球という美しい故郷(Home Planet)を次世代に引き継ぐ」ために、社会や個人が抱える様々な課題の解決(マイナスをゼロにする)に取り組むだけではなく、ゼロを超えた新たな価値の創出・提供を目指し、「回答のない未来へ弛まぬ挑戦」を続けていきます。
- BEYOND ZERO
- https://global.toyota/jp/mobility/beyond-zero/
トヨタは、革新的で安全かつ高品質なモノづくりやサービスの提供を通じ「幸せを量産する」ことに取り組んでいます。1937年の創業以来80年あまり、「豊田綱領」のもと、お客様、パートナー、従業員、そして地域社会の皆さまの幸せをサポートすることが、企業の成長にも繋がると考え、安全で、環境に優しく、誰もが参画できる住みやすい社会の実現を目指してきました。現在トヨタは、コネクティッド・自動化・電動化などの新しい技術分野にも一層力を入れ、モビリティカンパニーへと生まれ変わろうとしています。この変革の中において、引き続き創業の精神および国連が定めたSDGsを尊重し、すべての人が自由に移動できるより良いモビリティ社会の実現に向けて努力してまいります。